「東船橋の家」の配筋
東船橋の家の地下階があり、インナーガレージもあって、1階がスキップしていたりと複雑な空間構成なので構造もかなり難しい形状です。
地下が鉄筋コンクリート造、地上部が鉄骨部材が入った木造で、いわゆる混構造という建築です。
それだけに、基礎や地下部分の配筋も複雑で、加工組み立ても知識と経験が必要になります。
工事が始まる前は、きっと配筋検査で指摘事項が多くなり、是正に時間が掛かると覚悟していました。
ところが、この現場の鉄筋工は齢70歳のベテラン職人が頭で、良く図面が読めるし知識が豊富で、全5回の私の検査で指摘されたのは2カ所だけ。それ以外は現場監督の指示不足から生じた4か所でした。
この様なできる職人がいる現場は、見ていて面白いし話をしていて楽しい。
しかしながら、こういう熟練工がどんどん現役を引退してしまいその後継が居ないことに危機感を持ちます。
鉄筋工に限らずですが、建設現場は多くの職人や監督、技術者などたくさんの人たちが関わって出来上がるものです。
過酷な環境で働く彼らが報われるシステムにならないと、技術者や職人は減る一方で建設現場は成り立たなくなるのは目に見えています。
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